FX取引で両建てを行いたいという人は多いようです。しかし、両建て取引の行い方によっては、利用するFX業者の規約に違反してしまう可能性があります。
この記事では、両建てとはどんな取引なのかおさらいした上で、XMで両建てがどのような扱いになっているのかを解説していきます。禁止されている両建て取引、認められている両建て取引をの内容をしっかりと確認して、規約に違反しないように気を付けましょう。
そもそも両建てとはどんな取引?
まずはじめに両建て取引とはどんな取引なのか確認しておきましょう。両建てをひと言で表すと、1つの通貨ペアについて、買いポジションと売りポジションを同時に保有することです。
両建ては2つのトレード計画を同時進行するのに役立つ
両建てはなぜ有効なのでしょうか?
同じ通貨ペアで同じ通貨量を、同じタイミングで取引する両建てを行っても利益は出ません。しかし、エントリーや決済のタイミングをずらすことで、利益を出すことは可能です。
特に、別のトレード計画を同時進行するとき、両建ては有効になります。例えばスイングトレードレベルで上昇トレンドが発生していたとしましょう。その場合、スイングトレードの目線では買いポジションを保有していることになります。
しかし上昇トレンドの最中であっても、短期的には下落トレンドが発生することがあります。異なる時間軸で、反対方向にトレンドが進行しているような相場局面において、スイングトレードとデイトレードを同時進行することで、両建てが有効になります。
このことをチャートで確認してみましょう。チャートはドル円の4時間足です。2週間程度の上昇トレンドが発生している中、ところどころで陰線が見られます。
ここで両建てを行うと、スイングトレードの買いポジションを保有しながら、売りでも短期売買によってを利益を出すことが可能になります。
XMでは両建てを行うことができるので、このような手法を行うことは可能です。トレード計画を同時進行することで、両建てのメリットを享受できるでしょう。
ただし、XMの両建ては認められているパターンと認められていないパターンがあるので注意が必要です。
XMの両建で認められているパターンと禁止されているパターン
XMではどのような両建てが認められていて、どのような両建てが禁止されているのか確認しておきましょう。
認められているパターン
口座内での両建て
XMでは口座内での取引に限って両建取引を行うことが認められています。口座内というのは、同じ口座番号の口座です。
口座番号が違うと、口座タイプが同じ(スタンダード口座同士など)であっても両建ては行うことはできません。
XMの両建てで認められていないパターン
XMで認められていないパターンの両建ては以下の2通りです。どちらのパターンもXMに把握されてしまい、ペナルティを受けてしまう可能性があるので絶対に行わないようにしてください。
XMの別口座での両建て
XMでは別口座での両建ては認められていません。XM内であっても、A口座でドル円の買いポジションを保有しながら、同時にB口座でドル円の売りポジションを保有するということはできません。
ほかのFX業者との両建て
XMと別のFX業者との間で両建てを行うことも禁止されています。特に自動売買システムを利用している場合、気づかないうちに両建て取引になってしまうことがあるので気を付けましょう。
なぜ禁止されている両建てパターンがあるのか?
ここまで確認したように、口座間での両建てや業者間での両建てを、XMでは禁止事項としています。なぜそのような両建てパターンが禁止されているのか、気になった方もいるのではないでしょうか。次にその理由を解説していきます。
禁止されている両建てがあるのはゼロカットシステムがあるから
ゼロカットシステムとは、口座残高がマイナスになったとき、FX業者が残高のマイナス分を補填してくれるシステムのことです。当然、XMでもゼロカットシステムが採用されています。
仮にA口座とB口座の間で両建てを行っているとき、フラッシュクラッシュのような相場の大変動が発生し、A口座の口座残高がマイナスになってしまったとしましょう。
その場合、A口座のマイナス分は、ゼロカットシステム発動により帳消しとなります。一方、反対ポジションを持っているB口座では大きな利益が発生します。
A口座の損失はXMの費用で補填され、B口座では大きな利益が出ることになります。トレーダーからすれば美味しい話ですが、XMの運営側にとって不利なシステムとなるため、禁止しているというわけです。業者間での両建てが禁止されているのも同じ理由です。
XMだけでなく、ゼロカットシステムが導入されているFX業者では、口座間や業者間での両建ては禁止とされているところがほとんどとなっています。
XMで禁止されている両建てを行ったときのペナルティは?
XMで禁止されているパターンの両建てを行った場合、規約に違反したことになり、XMからペナルティを受けなくてはならない可能性があります。ペナルティの内容は以下の通りです。
〇口座凍結
〇出金拒否
〇レバレッジの引き下げ
〇禁止の両建てで得た利益の抹消
このように、口座凍結や出金拒否のような、重い処分が実施される可能性もあります。両建てとは関係のない資金まで出金拒否される可能性も考えられるので、禁止されている両建ては絶対に行わないように注意してください。
別口座での両建てはもちろん、他業者との両建てもバレる
繰り返しになりますが、両建てはバレてしまいます。別口座での両建てはXM内での両建てとなるので、XMにバレれることは想像しやすいですが、他業者との両建ても把握されてしまいます。
というのも、XMでトレードを行う取引プラットフォームはMT4やMT5だからです。他の業者と共通の取引プラットフォームであるため、取引履歴などから両建てを行っていることがしっかりと確認されてしましまいす。
禁止されている両建てはXMをはじめとするFX業者にバレるものだと考えてもらってよいでしょう。
ヘッジをするための両建ても禁止
別口座や業者間をまたいでの両建ては、ヘッジを行うためにおこなうものであっても禁止となります。ヘッジとは為替変動によるリスクを回避することを意味し、以下のようなポジションを保有していれば、ドルをヘッジしていることになります。
・USD/JPYの買いポジション
・EUR/USDの買いポジション
これらは同一通貨ペアではないので、厳密には両建てとは言いませんが、広い意味で両建てと解釈されてしまいます。上記のようなポジションを保有する場合、米ドルに関して両建てと同じ性質を持つことになります。仮にドル指数が大幅に上昇した場合、各ポジションのレートは以下のように変動します。
USD/JPY⇒ドル高により上昇
EUR/USD⇒ドル高により下落
となり、仮に日本円やユーロの相場環境に変化が無ければ、両ポジションは逆方向に大きく動くことになります。このように、ヘッジは両建てと似た性質を持ちます。
このようなヘッジについて、別口座あるいは別業者との間で行うことは、XMの禁止事項に該当する可能性があります。
別口座、別業者とのヘッジが禁止されている理由も、やはりゼロカットシステムがあることが原因です。ヘッジについても、別口座や別業者でEAを使用している場合、特に気を付けるようにしてください。