XMではどのような両建てが認められていて、どのような両建てが禁止されているのでしょうか。また、両建ての狙いや手法についても解説していきます。
XMで両建てを行ってみたい人は、是非この記事を参考にしてみてください。
XMで認められている両建て禁止の両建ては?
両建てを行うのであれば、両建てが認められているFX業者で行わなければなりません。その点、XMでは両建てが認められているので、堂々と両建て取引を行うことができます。
口座内での両建てはOK
ただ、XMで認められている両建ては口座内での取引に限ったものです。A口座を使うのであれば、A口座内で行う両建てであれば問題ありません。
口座間の両建て・業者間の両建てはNG
一方で、A口座とB口座を使って両建てを行うなど、口座をまたいだ両建てはXMでは禁止されています。また、XMとAxioryなど、業者をまたいで両建てを行うことも、禁止事項に該当します。
禁止されている両建てを行うと、口座凍結などのペナルティを受けてしまう可能性もあります。XMで両建てを行うときは、必ず口座内で行うようにしてください。
自動売買を起こっている人は要注意
口座間や業者間の両建てをするつもりがなくても、うっかり行ってしまう場合もあります。特に普段使っている口座とは、別口座や別業者で自動売買を行っていると、気づかないうちに両建てを行ってしまっていたということがあります。
複数口座、複数業者を利用する場合、自動売買も含めて保有ポジションの内容をしっかりと把握しておくようにしてください。
両建てを行う狙いは?
次に両建てを行うことの狙いについて紹介していきます。なぜわざわざ両方のポジションを保有する必要があるのか、少し考えてみましょう。
異なるトレード計画を同時に進行できる
トレード計画を立てるとき、短期~長期、どの時間軸で攻めていくか考えるところからスタートします。もし、短期と中期、複数の時間軸でトレードを行う場合、両建てを行わざるを得ない場面が来る可能性があります。次のトレード戦略を考えてみましょう。
〇ドル円 中長期的な値動きに合わせて、スイングトレードで1ロットの売りエントリー
〇ドル円 短期的な反発に合わせて、デイトレードで1ロット買いエントリー
このようなトレード戦略の場合、スイングトレードのポジションを持ちながら、デイトレードでエントリーのタイミングを狙っていくことになります。
同じ通貨ペアで、中長期のスイングトレード、短期のデイトレードを同時に行う場合、両建てを行うことで、難なく計画を実行することができるというわけです。
もちろん、この手法の場合、ロット数をロングとショートで必ずしも同じにする必要はありません。トレード計画や相場環境に応じて、調整してもらうとよいでしょう。
損益を固定することができる
同じ通貨ペアで同じロット数の両建てを行えば、損益を固定することができます。ドル円でロングとショートポジションを1ロットずつ持っている場合、仮に10pips上昇した場合、各ポジションの損益は以下のようになります。
ドル円レートが110.0円⇒110.1円に上昇
ロングポジション⇒+1万円
ショートポジション⇒-1万円
このように、為替レートが変動しても、各ポジションの損失と利益が相殺されるので、損益を固定できるというわけです。損益を固定することは以下のような局面で役に立ちます。
①ポジションを保有しているものの、どちらに動くか分からなくなってきた。一時的に損益を固定して、次の動きを待ちたい
②指標発表後の値動きを利用して利益を得たい。両建て後にロスカット注文を入れておき、含み損が発生したポジションを自動的に決済し、反対ポジションで利益を出したい
※XMでは②の指標発表後を狙った両建ては、明確に禁止されているわけではありません。しかし、XMの運営側は、スプレッドが拡大したり、想定外の損や利益が発生したりする恐れがあることから、おすすめできないトレード手法であるとしています。
また指標発表後は、どちらか一方に動くとは限りません。上下に乱高下することもあり、その場合、両方のロスカット注文に引っ掛かってしまい、大きな損失を出してしまうこともあります。
以上のことから、XMで指標発表時の両建てを行うことはおすすめできません。
エントリーのタイミング
両建てポジションを保有するタイミングは2パターンあります。
①ロングとショート、同時に同じロット数エントリーを行う
②ロングとショート、時間差をつけて同じロット数エントリーを行う
基本的には②を行うことになりますが、指標発表時に両建てを行うときは①を行うことも可能です。
実戦的な両建て方法を解説
ここまで、XMで認められているタイプの両建て、さらには両建て方法の目的について解説してきました。もう一度振り返っておくと、XMで行うことのできる両建ては以下の通りです。
〇トレード計画を同時に遂行するための口座内での両建て
〇一時的に損益を固定するための口座内での両建て
この2つの方法の両建てについて、実際のトレード例を解説していきます。
時間軸が異なるトレード計画を同時遂行
チャートはドル円の日足です。2020年は一貫して下落トレンドにありましたが、2021年に入ると上昇トレンドに転じています。
下落トレンドラインの上抜けや、移動平均線の上抜けなどを根拠に、上昇トレンドへの転換と判断し、ロングでエントリーを行います。
各種移動平均線は完全にローソク足の下にあり、テクニカル的に強いことから、中長期でポジションを保有することを決めました。
ただ、上昇トレンドの中にも、一時的に下落するポイントがあります。それは、ポジションの調整が行われるタイミングです。
そこで、一時的な下落を狙ってショートで短期トレードを行ってみましょう。日足で陰線が見られるポイントが調整ポイントです。
このポイントで、ロングと同じロット数で売りエントリーを行えば、ショートで得られた利益分が、最終的な利益に上乗せされることになります。
チャートの場合、3か月程度のポジショントレードと、3日以内のスイングトレードを同時並行で行うことになります。
一時的に損益を固定する
トレードを行うときは、何らかの根拠があってエントリーします。しかし、ポジションを保有している中で、相場環境が変化し、どちらに行くのか分からなくなってしまう場合があります。
その場合、両建てで一時的に損益を固定することで、値動きの方向が分かりやすくなるまで待つことができます。
3つのポイントで行う売買について確認していきましょう。
〇黄色・・・エントリーポイント
中長期的な上昇トレンドを見て、押し目を狙ってロングでエントリー
〇青色・・・売りでエントリーして両建てを行うポイント
さらに下落する可能性があるが、押し目となり上昇していく可能性もあるため、両建てを行い様子を見る
〇ピンク色・・・両建てを外すポイント
下落トレンドラインを上抜けしたため、売りのポジションを解消し、両建てを外す
今回はエントリー後、雲行きが怪しくなってきて、損失を固定する例を紹介しました。一方で利益がもっと伸びるかどうか分からないというとき、両建てによって利益を固定することも有効となります。