国内FX業者の注文処理方式はDD方式が採用されていますが、海外FX業者の注文処理方式はDD方式であったり、NDD方式であったりと様々です。
今回はXMで採用されているNDD方式とは、一体どんな注文処理方式で、どのようなメリット・デメリットがあるのか解説していきます。
NDD方式とDD方式の違い
NDD方式とは？
NDD方式とは、トレーダーとインターバンクの間にFXブローカーが仲介することなく、そのままインターバンクで決済される注文処理方式のことです。
NDD方式の大きな特徴は、FX業者がトレーダーの取引に一切関与しないということです。スプレッドからの手数料が唯一の収入源であるため、ユーザーとFX業者が利益相反の関係になりません。
DD方式とは？
DD方式では、トレーダーの注文はインターバンク市場に直接流されることはなく、いったんFX業者が注文の決済を行います。
決済を行った後、トレーダーの注文が勝ちそうならインターバンク市場に通し、トレーダーの注文が負けそうなら注文は通さない、といった判断を行います。
ディーラーが負けると判断して注文を通さず、予想通り負けた場合、FX業者は手数料と注文分の利益を得ることになります。
つまりDD方式では、ユーザーとFX業者が利益相反の関係になります。DD方式では、顧客が負けるほどFX業者が儲かるので、故意のレートずらし、不利なスリッページ、ストップ狩りなどをFX業者が仕掛ける場合があると言われています。
NDD方式には2種類ある
XMが採用しているNDD方式には、STP方式とECN方式の2種類あります。この違いは、トレーダーの注文をどのようにFX業者が処理を行っているかということです。
STP方式
- スタンダード口座とマイクロ口座で採用
STP方式ではカバー先(インターバンクにアクセス可能な金融機関)から価格を取得し、一定のスプレッドを乗せたうえでトレーダーへ通貨ペアの価格を提示します。
トレーダーから売買注文が出されれば、提示された金額によって売買や決済が行われることになります。提携先の金融機関に注文が届くまでにタイムラグが発生することがあるため、DD方式と同様に、約定拒否やスリッページが発生することは無いわけではありません。
また、約定力の高さについては、提携先の金融機関が多ければ多いほど安定したものになります。
ECN方式
- ZERO口座で採用
ECN方式では、インターバンク市場の価格がそのままトレーダーに提示されます。個人トレーダーであってもインターバンク市場と直接取引しているのと同じ条件でFXトレードが可能です。スプレッドがほとんど無いのも、こうした取引条件があるためです。
ただ、スプレッドとは別に取引手数料はかかるので、取引コスト(スプレッド＋売買手数料)が極端に安くなるということはありません。
ECN取引では、FX業者が提携している私設取引所(ECN)において、トレーダーの注文が他の金融機関とマッチングされます。そのため、約定拒否が発生することはありません。約定力に関して言えば、STP方式のさらに上を行くと考えてもらうと良いでしょう。
NDD方式のメリット
ここからはもう少しNDD方式のメリットを確認しながら、NDD方式という処理方式についてもう少し掘り下げていこうと思います。
スキャルピングし放題
前述したように、NDD業者はトレーダーの取引回数が多ければ多いほど、スプレッド分が積み重ねられていき、FX業者が儲かる仕組みとなっています。そのため、FX業者はトレーダーに対して、「どんどん取引をしていってほしい」と思っています。
取引条件は無制限となっており、ほとんどのDD業者で禁止されている秒スキャもしたい放題となっています。もちろん、XMでもスキャルピングOKとなっていて、このことが公式サイトで名言されています。
スキャルピングはZERO口座で行おう
スキャルピングを行うのであれば、取引コストの安いのZERO口座で行いましょう。ZERO口座であれば、実質のスプレッドはドル円で1.1pips程度で、ドル円で1.6pips程度のスタンダード口座やマイクロ口座よりも安くなっています。
STP方式が採用されているスタンダード口座やマイクロ口座と違って、ZERO口座はECN方式が採用されていますが、約定力に関しては全く問題ありません。
むしろ、マッチング方式で注文処理が行われるECN方式で約定拒否は発生しないため、約定力はSTP方式よりも高いと考えることもできます。
瞬時の判断力や約定力が求められるスキャルピングであっても、問題なくトレードを行うことができるでしょう。
不利な取引条件にならない
NDD方式は、ユーザーの注文を直接インターバンク市場に流す非常に透明性の高い注文処理方式です。そのため、DD業者で見られるような、ユーザーにとって不利な条件で取引が行われる心配はありません。
- ストップ狩り
- 不利なスリッページ
- レートずらし
- 故意の約定拒否
- 故意のシステムダウン
もちろん、このような行為をすべてのDD業者が行っているとは言いませんが、DD業者を利用する場合、このようなリスクを抱えたままトレードを行うことになります。
NDD業者であれば、そもそも処理方式的にこのような行為を行いようがないので、安心してトレードに臨むことができるでしょう。
約定力が高い
NDD方式ではユーザーの注文が直接インターバンク市場に通されるので、約定力が高いというメリットがあります。約定力とは以下2つの項目で決まります。
- 約定スピードは速いか？
- 希望した価格で約定されるか？(スリッページは発生しないか？)
約定力が高いNDD方式では、注文が殺到したときや相場が急変したときでも、希望した価格でスピード感をもった約定が行われます。
XMでは全発注の99.35％が1秒以内に約定されており、なおかつ100％の注文執行率を実現していると公言されています。
この約定力の高さについては、XMの強固なサーバー力はもちろん、注文処理方式にNDD方式が採用されていることも大きな要因として挙げられます。
NDD方式のデメリット
基本的にNDD方式はメリットの多い注文処理方式ですが、NDD方式ならではのデメリットもあります。
DD業者よりスプレッドが広い
NDD方式の大きなデメリットとして、スプレッドが広いということが挙げあられます。XMでは、ドル円やユーロドルで1.5pipsとやはり広い印象を受けます。
ZERO口座ではドル円やユーロドルで0.1pipsを実現していますが、別途手数料がかかるので、実質スプレッドは1.1pips程度かかってきます。
特にドル円0.2pipsを実現している業者が多い国内FXに比べると、スプレッドはかなり広い印象を受けます。
スプレッド面ではDD業者に分があるが・・
ただし、スプレッドが狭いDD業者を利用していても、スリッページや約定拒否が頻繁に発生するのであれば、スプレッドが狭い意味はなくなります。
特に相場の急変時、約定力の低いDD業者ではスリッページや約定拒否が発生しやすくなります。その意味では、多少スプレッドが広くてもしっかり約定してくれるNDD方式の業者を利用する方が実質的なスプレッドは狭くなることもあります。