XMで口座の登録を行うとき、利用する取引プラットフォームでMT4かMT5かどちらかを選択することになります。
これまでの利用者数や知名度を考えれば、MT4を選択するのが無難と考える人が多いようですが、あえてMT5を選ぶことに理由はあるのでしょうか。
今回はXMでMT5を選択するのはアリかナシかについて考えていきます。
MT4とMT5の違い
MT4とMT5にはいくつか違いがありますが、中でも特徴的な違いについて解説していきます。
動作の速さはMT5が圧倒的に勝る
MT4とMT5を使っていて最も違いを感じるのが動作の速さです。プラットフォームを開くとき、トレードを行うとき、など様々な場面でスペックの高さを感じることができるはずです。もちろん、PC版だけでなくアプリでも同じことが感じられるでしょう。
特にたくさんの通貨ペアをウォッチする場合は高い処理能力が求められるので、MT5の使用がおすすめです。MT4でチャートが固まってしまうという人は、MT5の使用に切り替えてみることを考えてみてはいかがでしょうか。
MT5はローソク足の時間軸が豊富
MT5のローソク足は、MT4で使える時間軸に15種類の時間軸がプラスされています。合計21種類のローソク足を利用することができます。
もちろん、メジャーな時間軸はMT4でも一通り使用することができますが、MT5ではさらに選択肢が増えます。
MT4とMT5共通の時間軸・・・1分、5分、15分、30分、1時間、4時間、日足、週足、月足
MT5のみ使える時間軸・・・2分、3分、4分、6分、10分、12分、2時間、3時間、6時間、8時間、12時間
上記の通り、MT5では2分足や6分足など、珍しいローソク足も使うことができます。
カスタムインジケータやEA(自動売買)はMT4に軍配
ここまで性能自体は優れているMT5ですが、圧倒的な弱点があります。それがカスタムインジケータやEAの種類です。EAは自動売買システムのこと、カスタムインジケータは専用の言語を使って作られたオリジナルインジケータのことです。
これらは取引プラットフォームにインストールすることになりますが、インストール先に設定されているのは圧倒的にMT4が多くなっています。
徐々にMT5対応のものも増えてきていますが、まだまだ少ない状況です。EAやカスタムインジケータの使用を考えている場合、MT4を選択しておいた方が無難でしょう。
標準搭載されているインジケータはMT4よりMT5が多くなっていますが、MT4は30種類、MT5は38種類とさほど変わりありません。含めてインジケータ全体(標準搭載のインジケータ+カスタムインジケータ)を見た印象でも、やはりMT4に軍配が上がります。
MT5アプリはチャートの分割ができる
MT5のスマホアプリはチャートを分割することができます(Android版)。ドル円とユーロドル、ドル円と日経225CFDなど、2つの銘柄を同時に表示することができます。
2つの銘柄を同時に取引する方にとって便利なのはもちろんですが、例えば日経平均を見ながらユーロ円を取引するという人にも、非常に便利な機能です。
どっちを選べばよいのか
ここまでMT4とMT5の比較を行ってきましたが、新規で口座を作るとき、追加で口座を作るとき、MT4かMT5のどちらを選択すればよいのでしょうか。ここからは2つの取引プラットフォームを選ぶ時のポイントを解説していきます。
ちなみにですが、XMでは最大8つまで追加口座の作成が認められています。「MT4を選んでみたけど、MT5を使いたくなった」という場合、追加口座でMT5を選ぶことができます。
そのため、口座開設時に「MT4を選んだら使い続けなければいけない」と真剣に悩む必要はないので、その点は安心してもらって大丈夫です。
短期トレードを行う人にはMT5がおすすめ
移動平均線や一目均衡表など、メジャーなインジケータのみを使用して裁量トレードを行う人にはMT5がおすすめです。
動作スピード、時間足の豊富さなど、基本的なスペックはMT5の方が優れています。特に秒単位の瞬発力が試されるスキャルピングでは、動作スピードの速い取引プラットフォームを使用することは勝つための必要条件です。
わずかな約定スピードのズレが利益を大きく左右するスキャルピングでは、MT5の使用をおすすめします。
オリジナルのインジケータを使用する人にはMT4がおすすめ
オリジナルのインジケータはMT4用に作られたものがほとんどです。MT4とMT5には互換性がないので、MT4で使っているものをMT5に移行することはできません。
すでにオリジナルインジケータを使用している人はもちろん、これからオリジナルのインジケータを使用する予定のある人にはMT4の使用をおすすすめします。
パソコンのスペックが低い人にはMT4がおすすめ
MT5の動作の速さは、PCのスペックがあってのことです。MT5はMT4よりも高性能な分、CPUをたくさん消費します。
CPUの低いパソコンでは、MT5自体の速度が落ちることはもちろんですが、ほかのPC機能にも影響を及ぼすこともあります。ノートパソコンなどスペックが高くないPCを使用する場合、MT4を使用することが無難でしょう。
EA(自動売買)を利用する人にはMT4
WEB上では様々なEAが販売されていますが、現状は圧倒的にMT4向けのシステムが多くなっています。
ただ、今後MT5が主流になれば、MT5向けのEAを開発する業者が増えてくることが考えられます。MT5用のプログラム言語MQL5の実行スピードは非常に早いため、自動売買システムの作動にも向いています。
ただし、今の時点では、自分でシステム開発しない限り、MT4の利用がオススメです。
MT5の今後に期待
ここまで解説したように、総合的に見たとき、現状ではMT5を利用する特別なメリットは無いと言えるでしょう。
すでにMT4を利用しているユーザーはかなり多く、またMT4使用の満足度もかなり高いと言えます。MT4を利用しているユーザーにとって、使い慣れたMT4からMT5にわざわざ使用を切り替える必要は無いのかも知れません。
このようにMT4の満足度が高いがゆえに、カスタムインジケータや自動売買システム(EA)は、MT4向けに作られることが依然として多い状況にあります。
MetaQuotes社の狙いはMT4からMT5への移行
MT4やMT5を提供しているのは、MetaQuotes社という会社です。同社はMT4よりもMT5を積極的にアップデートを行っており、MT4からMT5へ移行させたい狙いがあるようです。
2019年のアップデートでは、初心者向けのトレー二ング機能を多言語対応させたり、デモ口座作成を簡単にしたりと、新規の顧客に対してMT5利用を促す動きが見られています。
今後の流れを考えればMT5がおすすめ
MetaQuotes社の狙いを考えれば、今の時点からMT5を利用するという手もアリです。すでに機能面でMT5に優位性がありますが、今後は頻繁なアップデートを通して、さらに機能面の充実が図られるでしょう。
MT4を選択しても、特別な問題はありませんが、より高度な分析や取引を行いたい人は、今からMT5を利用することをオススメします。