海外FXにはゼロカットと言うシステムがあります。ゼロカットとはロスカット注文が間に合わず追加証拠金が発生してしまった場合に、追加証拠金をなかったことにするシステムです。つまり追加証拠金分は業者の負担となり、投資家は一切負担する必要がありません。
これは投資家にとってはとてつもないメリットですが、デメリットは無いのでしょうか?
一方的に投資家だけが得をするので、なんだか怪しいなと思ってしまいますね。
実はゼロカットにも見えないリスクがあります。この記事ではゼロカットのメリットとデメリットについて解説します。
ゼロカットとは?
ゼロカットとはロスカットの保証をするシステム
ゼロカットとはロスカットが確実に効くことを保証するシステムです。ロスカットとは必要証拠金維持率を下回った場合に強制的にポジションを手仕舞いするシステムをいいます。
このシステムのおかげで、どれだけ損失が拡大しても、追加証拠金が発生する事はありません。
ところがこのロスカットと言うシステムが効かず、追加証拠金が発生してしまう場合があります。
それは急激な相場の変動にロスカットの決済が間に合わなかった場合です。
例えば1ドル110円でロングして、1ドル105円で証拠金維持率が基準値以下になる場合、普通であれば105円になる前に強制決済されます。ところが、1ドル106円から1ドル104円まで一瞬で急落してしまった場合、ロスカットの決済が間に合わず、1ドル104円で決済されることがあります。
この場合、通常であれば投資家が1円分の追加証拠金を払わなければいけません。
しかし、ゼロカットのシステムがある場合は追加証拠金を業者側が負担します。
なぜロスカットが間に合わない場合がある?
ロスカットが間に合わないのは、主に高いレバレッジを用いた取引の場合が多いです。
レバレッジが高いと、少しの値動きでも証拠金維持率が大幅に変動するので、少し相場が急変しただけでロスカットの基準を下回ってしまいがちになることが原因です。
ゼロカットのメリットとデメリット
ゼロカットのメリット
ゼロカットのメリットは借金を背負うリスクがないことです。先に述べたようにロスカットの決済が間に合わなかった場合には、追加で証拠金を振り込む必要があります。この振り込みができなかった場合には、業者に対して借金を背負うことになります。
一方で、ゼロカットのシステムはその発生した借金はなかったことにするシステムなので、万が一の場合にも投資家は借金を背負わずにすみます。
つまり投資家が失う可能性があるのは最初に振り込んだ証拠金だけということです。
ゼロカットのデメリット(リスク)
ゼロカットにはデメリットは無いと書いているサイトが多いですが、実はリスクが存在します。
なぜならばゼロカットのシステムを導入しておきながら、約束を破って追加証拠金を請求した業者があるためです。
2015年にスイスフランショックと言う事件が起きました。スイス国立銀行が大規模な為替介入を行ったのです。
そのときのスイス円は20分間で4000pipsと言うとんでもない急変を引き起こしました。
この時に大量の追加証拠金が発生した投資家が出たのですが、とある業者がゼロカットシステムを反故にし、投資家に追加証拠金を請求しました。
ゼロカットシステムは本来は投資家が負担するべきものを業者側が負担するシステムですから、あまりにも多大な損害が発生した場合には業者側がゴネる可能性があるのです。
裁判をすれば投資家が勝つでしょうが、外国の業者と裁判するのは日本の個人にはとんでもない高いハードルになります。
ゼロカットシステムを反故にした業者とは?
ゼロカットシステムを反故にした業者は一体どこの業者なのでしょうか。
具体的な業者名はここには書きません。
ただ、結構名の知れた有名な業者です。
その業者の特徴だけ列挙しておきます。
- 無登録業者(どこのライセンスも持っていない)
- 顧客資金の保証がされない
- 最低入金額や取引手数料など、コストが高い
このようにあまりイメージの良くない特徴がたくさんあります。
以前はちゃんとライセンスを持っていましたが、スイスフランショックの対応の悪さのために全て剥奪されてしまいました。
それでもまだ営業を続けています。
業者を選ぶときに、ちゃんとライセンスの有無を確認するだけで避けることができます。
XMは安心な業者
当サイトは主にXMについてのサイトですが、上記の悪質な業者はXMではありません。
XMはセーシェル共和国にライセンスを持つ正規の業者です。
今のところXMがゼロカットを反故にしたと言う事実はなく、顧客の資金も個別に管理されるため、安心できる業者といえます。
XMのゼロカットのシステム
XMで追加証拠金が発生した場合、口座残高にはマイナスが表示されます。
しかしこれはただ表示されているだけであり、実際にお金が請求される事はありません。
マイナス表示になるとびっくりするかもしれませんが、ただのシステム上の表示なので落ち着きましょう。
マイナス表示は次に入金した段階で解消され、新しく入金した入金額が表示されます。
XM以外の業者は?
XM以外の業者にも、ゼロカットのシステムを導入しているところが多いです。
XMは次回の入金でマイナス表示が消えますが、これは業者の中では少数派です。他の業者は一定期間で自動的に消えるシステムだったり、サポートに連絡して消してもらうシステムだったりする場合が多いです。
海外FXを選ぶ際は、ライセンスに気をつけよう
この記事ではゼロカットのシステムと注意点について解説しました。ゼロカットは非常に便利なシステムですが、業者側が一方的に損をするシステムであるので、あまりにも過大な負荷がかかると、もめることになりかねません。
実際に過去にゼロカットのシステムを反故にした業者が存在します。
業者を選ぶ際には、ライセンスをちゃんと持っている業者かどうかを確認してから入金しましょう。
お勧めの業者はXMです。
FXで借金を背負うことだけは避けましょう。