海外FXのXMで一定の利益が出たら、確定申告を行う必要があります。XMを使っていくら利益が出たら申告しなければならないのか、また申告準備から申告方法までどのような手順を踏む必要があるのか解説していきます。
XMで確定申告しなければいけない人は？
XMを利用していて、いくら以上の利益を上げたら確定申告しなければならないのでしょうか。
・給与所得者⇒XMで年間20万円以上の利益を上げた方
・給与所得の無い人⇒XMで年間38万円以上の利益を得た方
サラリーマンなどの給与所得者は年間20万円以上、専業主婦など給与所得を得てない人は年間38万円以上利益が出たら確定申告を行わなければなりません。
また、XM以外の海外FX業者で利益を得た場合、XMの利益と合算した金額が、確定申告を行う目安になります。さらに海外FX以外に事業や副業を行って得た利益も合算することになります。
確定申告する時期は？
確定申告を行う時期は、毎年2月中旬から3月中旬までの期間です。2020年は新型コロナウィルス流行の影響で、4月中旬まで期間が延長となりました。
申告する時期の日付は、はっきり決まっているわけではないので、毎年国税庁の情報をチェックするようにしましょう。
どの期間の利益を申告するか？
毎年2月～3月に申告する際は、前年度の年間所得を申告します。
2021年に行う確定申告⇒2020年度の年間所得を申告
申告に遅れてしまったら？
もし申告に遅れてしまったら、罰則が科せられる可能性があります。
- 無申告加算税 ～20%
- 税延滞税 ～14%
- 刑事告発 脱税が疑われるなど悪質なケースに限る
ただし、期限後1カ月以内の申告であれば、自主申告として扱われ、条件を満たせば無申告加算税から逃れることができます。
税金の計算方法は？
XMをはじめ、海外FXで得た利益にはどのような税金が課されるのでしょうか。
海外FXの利益には総合課税が適用
国内FXや株式投資で発生した利益には一律20%(地方税5%、所得税及び復興特別所得税15.315%)の分離課税が適用されます。
一方でXMを含む海外FXには総合課税が適用されます。総合課税では、事業所得や給与所得などを足し合わせた総合的な所得に対して累進課税の方式で課税される仕組みになっています。
総合課税の所得税は下表のように、課税される所得に応じて税率や控除額が決定します。これに一律10%の住民税を足し合わせたものが総合課税で支払う税額となります。
| 課税される所得 | 税率 | 控除 |
| 195万円 | 5% | 0円 |
| 195万円～330万円 | 10% | 97,500円 |
| 330万円～695万円 | 20% | 427,500円 |
| 695万円～900万円 | 23% | 636,000円 |
| 900万円～1800万円 | 33% | 1,536,000円 |
| 1800万円～4000万円 | 40% | 2,796,000円 |
| 4000万円～ | 45% | 4,796,000円 |
会社員の方であれば給与所得を、FX以外の事業で所得がある方は事業所得を足し合わせた所得を用いて税額を計算します。
所得が800万円の場合、所得税は以下のように計算することができます。
8000,000円(所得)×23%(税率)ー636,000円(控除額)=1,204,000円(所得税額)
120万4000円が所得税の金額となり、さらに住民税の80万円(800万円×10%)を足し合わせた200万4000円が総合所得の全課税金額となります。
確定申告に必要な書類は？
確定申告を行うためには、確定申告書のほかに、書類を添付しなければならないことがあります。また、必須ではありませんが、スムーズに申告するため添付しておいた方が良い書類もあります。
各種控除証明書
納める税金の額はなるべく小さくしたいものです。納税額を小さくするための方法のひとつが、税額控除を利用するというものです。
税額控除とは、医療費、社会保険料の公的な支出証明書を提出することで、支払い金額に応じて税金が控除される制度です。
控除の種類・・・医療費控除、個人年金保険料控除など
控除を受けるためには、各種控除証明書が必要になります。
経費の領収書
FXで利益を出すためにかかった費用は、経費として計上することができます。経費の分、所得を小さくすることができるので、証拠となる領収書は必ず保管しておきましょう。
領収書は提出する必要はありませんが、数年間保管しておく義務があります。もし税務調査が入ったときに、領収書を提示できないと、追加で納税しないといけなくなる可能性もあるので注意が必要です。
FXの経費・・・FX関連の書籍代、セミナー代、PCやスマホ料金の一部など
年間損益報告書
FXの成績表として年間損益報告書を添付すると、信頼性の高い確定申告書を作成することができます。
報告書を提出する義務はありませんが、確定申告書を作成するときに便利なので、確定申告期間が近づいてきたらダウンロードしておくことをオススメします。
MT4から年間損益報告書をダウンロードする方法
MT4のターミナルを起動し、①「口座履歴」を選択します。次に口座履歴内で右クリックをし、②「期間のカスタム設定」を選択してください。
期間のカスタム設定では、申告を行う分の期間を選択しましょう。2020年分を申告する場合、2020.01.01~2020.12.31の期間を設定してください。
「OK」をクリックしたら、もう一度右クリックし、今度は「レポートの保存」を選択します。
PC上に保存したら、その年における口座の年間損益を確認してみましょう。Closed P/Lの横に記載されている数字が年間損益です。
Closed P/Lをもとに確定申告書を作成してください。
XMの確定申告に関する疑問点
実際にXMの確定申告を行うとき、いくつか疑問点が生じるかも知れません。確定申告をスムーズ行ってもらうため、多くの人が疑問に感じる点をいくつか紹介しておきます。
ボーナスは課税所得になる？
取引チケットとして受け取れるボーナスは所得になりません。実際にXMの損益報告書にも、ボーナスの金額は記載されません。
ただし、ボーナスを利用して得られた利益は課税の対象になります。
また、取引量に応じて得られるXMPポイントを現金化した場合も、課税対象となります。いずれにしても、出金できる現金になった時点で課税対象の所得になると解釈することができます。
複数の口座を持っている場合は？
XMでは追加口座を開設することで合計8つの口座を作成することができます。XMで複数口座を持っている場合、すべての口座が課税対象となります。
それぞれの口座の損益を確認し、足し合わせ、確定申告書を作成するようにしましょう。先ほど確認した年間損益書は、口座ごとに出てくるので、口座ごとの損益書を合算して申告を行ってください。
損失の繰り越しはできる？
国内FXでは最大3年間損失を繰り越すことができます(確定申告を行った場合のみ)。1年目に30万円の損失、2年目に20万円の損失が出ていた場合、3年目に50万円の利益が出ても、3年目の課税対象金額は、損失と相殺することで0円となります。
一方海外FXでは、損失の繰り越しはできません。これは分離課税と総合課税で制度の違いがあるためです。海外FXで損失が発生した場合、確定申告は行わなくてOKです。